こんにちは!ころすけ(@Biyou Corosuke)です。
ひとまずスタイリストには慣れたけど、これからどうすればいい??
そんな方へ、美容師としての働き方のバリエーションをお伝えする記事です。
1回目の正社員についてはこちらをご覧ください。
今回は近頃増えている業務委託・面貸し美容師についてです。なんだかお給料がたくさんもらえるような話も聞くので、興味がある方も多いと思いますので、詳しく解説していきますね。
業務委託・面貸し
契約そのものの違い
正社員(雇用契約)と業務委託・面貸しはそもそも契約が違います。
美容室の経営者の『事業主』と美容師『個人事業主(フリーランス)』が、対等に事業主同士として契約する形になります。
個人事業主として働く場合、『雇われる』とは形が違ってきますので、
『労働基準法』が適応されません。
正社員では労働基準法によって守られていた
- 理不尽な理由による解雇が出来ない
- 急な減給がない
- 最低賃金や決められた休日数の取得
こういった内容が適応されません。自分と事業主との、言ってしまえば言い値での交渉のようなイメージです。
契約する際の条件をしっかり個人で確認するようにしてください。
後々のトラブルを避けるためにも、報酬の支払われ方、有効期限や中途解約の条件等、自身で理解した上で契約しましょう。
メリットとしては稼ぎたい時は、決まった日数以上働いたり副業もできるので、自由度の高い働き方になります。
自分で時間をコントロールして、たくさん働いてたくさん稼ぎたい人には働きやすい条件ですね。
収入
正社員は決まった時間の勤務時間に対して、基本給が支給されます。そこに技術や商品の売り上げ歩合や、役職手当が加わり昇給になります。
一方個人事業主は、完全歩合制になります。業務委託で売上に対しての40%.指名で50%、面貸で60%〜70%位が目安です。
業務委託と面貸しでは若干内容が変わってきます。
業務委託は通常のサロン同様、集客や材料等はお店持ち。雇う契約(報酬形態)が個人事業というだけの物が多いです。なので、最低金額を保証しているところも多いですね。
面貸しは、集客やサロンによっては材料も自分もち。ただ場所を借りるだけのイメージ。こちらの方がフリーランスのイメージに近いですね。すでにお客様を持っているスタイリストや、独立前の合間などに使われる働き方です。
今は面貸し美容師専用の場所などもできてきています。月額利用料を払いずっとそこで働いたり、30分単位で貸りて、一人だけ施術しに行ったり。
いったん入る金額は、正社員の頃より増えて感じますが、そこから全額個人負担の税金を支払いますので、気をつけましょう。
確定申告
個人事業主になって、一番面倒なイメージがあるのはこれじゃないでしょうか?
そうです。確定申告ですね。
会社に雇われていると、確定申告は年末調整として会社がやってくれていますが、個人事業主になると自分でする必要があります。
手間ではあるんですが、正社員との違いの最大のメリットでもあります。
それは個人で節税対策ができる事。
会社員の税金はお給料を貰った時点で、既に計算されて税金が引かれています。
ここで大事な事。正社員の税金は簡単に言うと
収入−控除=課税所得
この計算の課税所得に対して課せられます。つまり課税所得が多いと払う税金が増えます。
しかし個人事業主になると
収入−控除−経費=課税所得
と、経費枠がでてくるんですね。収入が同じでも経費計上がたくさんあれば、税金が掛かる課税所得を抑えられるので、結果払う税金を減らすことができます。みんながレシートを集めてるアレです。
個人事業だともう一つ課税所得を減らす方法として、控除を増やす方法があります。
確定申告をする際、青色申告を使うことで、最大65万円まで控除を受けることができます。
控除と経費をうまく活用して、課税所得を減らすことで、節税対策ができます。
やや手間に感じますが、個人事業をする上で、かなり大きなメリットになりますので是非頑張りたいところです
社会保険
会社員と個人事業主では社会保険もかなり変わってきます。
会社員=健康保険+国民年金+厚生年金
個人事業=国民健康保険+国民年金
年金に関しては、会社員は国民年金と厚生年金の2階建てで積み立てていくので、もらえる受給額が変わってきます。
健康保険と国民健康保険は、名前が似ててややこしいですが、保証内容が変わってきますのでしっかり理解しておきましょう。表にするとこんな感じです。
個人事業主 | 会社員 | |
---|---|---|
入る保険 | 国民健康保険 | 健康保険 |
医療費 | 原則3割負担 | 原則3割負担 |
出産一時金 | 原則42万円 | 原則42万円 |
出産手当金 | もらえない | もらえる |
傷病手当金 | もらえない | もらえる |
保険者 | お住まいの市区町村 | 勤務先が所属する 健康保険団体 |
保険料の計算 | 自治体が計算 (前年の所得にお応じて) | 会社が計算 (給与額に応じて) |
保険料の支払い | 全額自分で支払う | 給与から天引き (半額は会社負担) |
家族が増えた時の 保険料 | 増える | 同じ |
大きく差が感じられるのは
出産手当金、傷病手当金ですね。会社員は働けなくなった時の保証が手厚いということです。女性は出産した時のことも考えて、じっくり検討しましょう。美容師はテレワークができない仕事なので、確実に出産すると休むことになりますので・・・。
保険料の支払いに関しては、会社が半額負担してくれるメリットが大きいです。
しかし、国民健康保険は先程の課税所得によって額が変わるので、しっかり節税対策ができるといいですね。
まとめ
個人事業主のメリット
- 時間に縛りがなく、自由度の高い働き方
- やればやっただけ収入があがる
- 節税対策の幅が大きい
デメリット
- 労働基準法が適応されない
- 収入が安定しない
- 確定申告は自分でする
- 健康保険の補償内容の違いや、年金支給が減る
自分の求める環境がどういったものか、将来の人生設計なども踏まえて判断していきましょう。